運転免許を返納した。転倒が増えた―。85歳という新たな区切りを超えた作家が描く「老いの日常」。優先席での年齢比べ、一向に進まない本の整理、曲げた腰を伸ばす難しさ、隙を見ては襲ってくる眠気、病気との付き合い方。いずれも70歳代のころとは何かが徐々に変わっている。この先の時間に思いを馳せがなら、年齢を重ねるなかで生じる失敗や戸惑い、さらに発見や喜びも余さずつづる、老いの日々のスケッチ。
目次
1 新旧の不自由を抱えて(家と身体が共鳴する
空足を踏む恐怖 ほか)
2 もう運転しないのか…(もう運転しないのか…
家で和服だった年寄り ほか)
3 降りることへの恐れ(次に風呂を直すのは誰
年を取ってからの「待ち」 ほか)
4 老いることは知ること(一人の外出にまごつく
三度目は、転ぶまい ほか)
著者紹介
黒井 千次 (クロイ センジ)
1932年(昭和7年)東京生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、富士重工業に入社。70年より文筆生活に入る。69年『時間』で芸術選奨新人賞、84年『群棲』で第20回谷崎潤一郎賞、94年『カーテンコール』で第46回読売文学賞(小説部門)、2001年『羽根と翼』で第42回毎日芸術賞、06年『一日 夢の柵』で第59回野間文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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